AI技術は年々進化しています。
そしてそれに伴い、社会ではさまざまな分野において、AIが活用されるようになってきました。実際、私たちの身近な場所でも、AIは活躍しています。

AIは、使い方次第であらゆる物事に対応可能な技術です。ユニークな活用も行われ、その可能性は無限大とも言えるでしょう。
そこで今回は、AIがどんな場所で導入されているのか、具体的な事例を「身近な事例」「産業別の事例」「面白い事例」の3種に分けてご紹介します。

AI(人工知能)とは

AIとは、人間の知覚や知性を人工的に再現した技術のこと。Artificial Intelligenceを略したもので、日本語では人工知能とも呼ばれます。

AIは、経験から学び、進化していくことができる点が大きな特徴で、このような学習技術は機械学習と呼ばれます。近年では、AIのさらに高レベルな学習と進化を可能にするディープラーニングという技術も登場し、AIは社会においてより柔軟に活用できるものとして、あらゆる分野での導入が進んでいます。

身近なAI活用事例

AIは、私たちの身近な場所でも活用されています。まずはその例を2つご紹介しましょう。

国土交通省の交通量調査

国土交通省の交通量調査は、これまで5年に1回、人の手で行われてきました。道路脇で車の数を数える調査員の姿を目にしたことのある方は多いでしょう。

しかし、国土交通省は2021年に人の手による交通量調査を廃止。AIを使用する方法に切り替えました。
この方法は、保守管理のために国道に設置されている監視カメラの映像をAIが解析し、台数を数えるというもの。人の手による計測よりも正確でコストもかからないという利点があります。

国土交通省は、AIなどの先端技術を用い、今後常時の交通量観測を目指すと発表しており、そのための準備が進められています。
(参考:https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/amp/1421739

メルカリの「AI出品」

ここ数年で利用者が増え、サービス自体も増加傾向にあるのが、フリマアプリ。メルカリは、数あるフリマアプリの中でも利用者の多いツールとして知られています。

このメルカリでも、AIは活用されています。それが、「AI出品」というサービス。出品したい商品の写真をスマホで撮影するだけで、AIが商品を画像認識し、商品カテゴリやブランド名などの商品情報を予測・自動入力するというものです。
フリマアプリへの出品は入力に手間がかかるという点がネックでしたが、AI出品を利用すれば、商品によっては1分以内に出品を完了させることも可能になります。

同社は、「売ることを空気にする」をコンセプトに、AIを用いた出品の簡易化を進めています。
(参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43070360Z20C19A3000000/

産業別のAI活用事例

AIは、さまざまな産業における課題解決も実現しています。その事例を産業別に4つ見ていきましょう。

【製造】AI搭載の原料検査装置で検査を自動化

食品メーカーであるキューピー株式会社は、製品の製造過程において、AIを活用しています。
キューピーで導入されたのは、AI搭載の原料検査装置。それまで人の手で行ってきた惣菜の原材料となるカット野菜の検査作業(変形や変色、夾雑物の取り除き等)を、良品のパターンを学習させたAIによる画像分析で自動化することに成功しました。
これにより、担当者の負担軽減や作業の均一化を実現しています。

また、同社はより安心・安全な食品製造に向け、他メーカーへのAI搭載原料検査装置の提供も検討しています。
(参考:https://www.kewpie.com/newsrelease/2019/1152/

【水産業】養殖漁業の餌やりを可視化

「UMITRON FAI」
養殖業に特化したテクノロジー企業ウミトロンが手掛けたのが、「UMITRON FAI」という魚群行動解析システム。魚が餌を食べる状況を機械学習したAIにより、その時々で変化する魚の食欲を画像解析し、可視化できる技術です。

養殖漁業において餌やりのコストは大きく、過剰な餌は水質悪化にも繋がります。しかし、「UMITRON FAI」の技術によって、養殖魚への適切な餌やりが可能に。これにより、餌の無駄や水質悪化を防止できるようになり、養殖を営む漁師の負担軽減が実現されました。
(参考:https://sdgs.yahoo.co.jp/amp/originals/56.html

【小売】無人コンビニ「TOUCH TO GO」

2020年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅に設置されているのが、AI技術を用いた無人コンビニ「TOUCH TO GO」です。

このコンビニでは、商品をひとつひとつレジでスキャンする必要がありません。なぜなら、店内のカメラと赤外線装置、重量計のデータを分析し、AIが「誰が何を購入したか」を正確に判断して、決済端末にデータを反映させるからです。この仕組みにより、商品を手に取ったら、客は出口付近にある端末で決済を行うだけで済みます。棚から取った商品を直接カバンに入れても問題はありません。

客はスムーズに買い物ができ、店舗側は人件費を抑えられるこのシステムは、より高い精度を目指し改良が進められています。
(参考:https://aismiley.co.jp/ai_news/mechanism-and-advantages-of-unmanned-convenience-stores-that-are-becoming-popular/

【医療】AI搭載内視鏡ソフトウェア「WISE VISION」

国立研究開発法人国立がん研究センターと日本電気株式会社が共同開発を行ったのが、大腸内視鏡用のソフトウェア「WISE VISION 内視鏡画像解析AI」。AI搭載のソフトウェアにより、内視鏡検査時にリアルタイムに大腸がんや前がんを発見することができるシステムです。

このシステムには、1万以上の大腸がん病変の内視鏡画像を機械学習させたAIを搭載。AIは、検出した情報を事前に学習したデータと照らし合わせ、リアルタイムで医師にフィードバックします

AIと医師の連携を実現する「WISE VISION」は、大腸がんの早期発見や診断精度の向上に効果的なシステムとして、医療の現場で注目されています。
(参考:https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2020/20210112/index.html

面白いAI活用事例

AIは、ユニークな活用も行われています。その例を2つご紹介しましょう。

AIアナウンサー「荒木ゆい」

AIアナウンサーとは、株式会社Specteeが開発したバーチャルアナウンサーのこと。実際のアナウンサーによるニュース音声を10万件以上機械学習したAIにより、より人に近い音声読み上げを可能にしています

このAIアナウンサーの名前は「荒木ゆい」。名前以外の年齢や背景のコンセプトが詳細に設定されている点もユニークですね。

簡単に音声の作成ができ、読み上げを実行できるこのサービスは、テレビやラジオ、商業施設での館内放送などで活用されています。
(参考:https://www.ai-announcer.com/#service

AIによる手話翻訳システム「Sure Talk」

電気通信大とソフトバンクが開発したのが、AIによる手話翻訳システム「Sure Talk」。カメラの前で人が手話を行うと、それをAIが認識し、数秒で手話の内容を連携したパソコンに日本語で表示するシステムです。
「Sure Talk」は、AIに手話を学習させることで、より多くの手話翻訳に対応。手話をした人の動作をAIが追跡・抽出することで、その内容をリアルタイムにテキスト変換し、スムーズに会話を繋ぎます。

耳が不自由な人とのスムーズなコミュニケーションを実現する「Sure Talk」は、自治体の窓口などへの設置が検討されています。
(参考:https://www.suretalk.mb.softbank.jp/function/ https://www.chunichi.co.jp/amp/article/358737)

まとめ

ご紹介したように、AIはさまざまな目的・方法で活用され、ビジネスや生活における課題解決を担っています。AIをうまく活用できれば、業務はより効率的で正確になり、人件費を削減したり人材をコア業務に割り当てたりすることも可能でしょう。

初めにも述べたように、AIの可能性は無限大。それをうまく活用していくことが、今後求められる効率的なビジネスを実現するための鍵なのかもしれません。
また、AIシステムを一から開発するのはハードルが高いという場合には、近年多くリリースされているAI搭載のビジネスツール導入を検討するのもひとつの方法でしょう。