DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、現代企業が早急に取り組むべき課題のひとつ。日本では、国を挙げてDXが進められています。
しかし実際には、DXの推進の仕方が分からなかったりデジタル技術を取り入れたもののうまくいかなかったりといった例も多く見られます。
DX企業は、DXをどのように成功させているのでしょうか。

そこで今回は、DXに取り組んだ企業の成功事例をご紹介します。
最適なDXは企業によって異なりますが、DX推進の参考としてぜひお読みください。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「進化していくIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革する」ことです。
これは、2004年にエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念で、DXの広義の意味にあたります。
これをもとに、ビジネスにおけるDXを、経済産業省は以下のように定義しています。

◆経済産業省によるDXの定義
「DX企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、 データとデジタル技術を活用して、 顧客や社会のニーズを基に、 製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、 業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、 競争上の優位性を確立すること」
(経済産業省『2025年の崖問題とDX推進に向けた政策展開』より)

簡単に言うと、「デジタル技術の活用によるビジネスモデルや業務の変革により、組織の競争力を向上させていくこと」がビジネスにおけるDXです。

現代社会において、企業が市場での競争力を高め生き残るために、DXの推進は不可欠です。DXが進まなければ、近い将来に大きな経済損失が発生する可能性も示唆されています。
このことから、日本では国を挙げて、企業のDXが推進されているのです。

DXの成功事例

DXは、世界中の多くの組織で進められています。それぞれの組織によってDXの推進方法は異なり、その具体事例を知ることは、自身の組織におけるDX推進の参考になるでしょう。
そこでここからは、DXの成功事例を4つご紹介します。

クボタ株式会社(農業・建設機器)

クボタ株式会社は、農業やインフラ、環境に関するソリューション開発・製品販売を続けるグローバル企業。農業機器の生産を中心に、その他精密機器やパイプシステム、水処理システムなどを扱っています。
海外にも多数の拠点を持つクボタ株式会社では、以下のような課題を抱えており、それを機器の故障診断アプリにより解決しました。

◆課題
・現地エンジニアの経験・スキル不足により、建築機材の修理対応が不十分。修理マニュアルだけでは、スキルをサポートしきれていなかった。
・膨大な修理マニュアルから該当箇所を探し出すのに時間がかかっていた。
・エンジニアのスキルに左右されない形での、迅速な故障診断サポート体制が求められていた。

◆DXによる解決
・故障診断アプリ『Kubota Diagnostics』を開発導入。
・機械の発するエラーコードや症状の入力により、エラーの原因や場所、修理方法が表示される自動の故障診断機能を搭載。
・スマートフォンをかざすだけで、機器内部の故障箇所を特定できる機能を搭載。

クボタ株式会社では、故障診断アプリの導入により、海外拠点における機器の修理を、エンジニアのスキルに左右されることなく、正確で迅速に行うことに成功しました。
このアプリは、今後日本や海外拠点に拡充していき、エンジニアの教育にも役立てられる予定です。

(参考記事:https://monstar-lab.com/dx/portfolio/case_kubota-diagnostics/

株式会社ユニメイト(ユニフォームレンタル)

株式会社ユニメイトは、ユニフォームのレンタル、販売、管理、クリーニングを行うソリューションカンパニー。オフィスユニフォームから医療用ユニフォームまで、幅広いユニフォームを扱う会社です。
顧客に合ったサイズのユニフォームを提供する株式会社ユニメイトでは、以下のような課題を抱えており、その対策として自動採寸アプリの開発・導入を行いました。

◆課題
・クライアント側からの手動採寸による自己申告で行われてきたサイズ申請に、ヒューマンエラーによるサイズミスが多発。返品が全体の4割に上ることもあるなど、交換や返品に多大なコストと労力がかかっていた。
・サイズ交換に備え、過剰在庫を抱えていた。
・廃棄品の発生による環境への負荷を課題だと考えていた。

◆DXによる解決
・自動採寸アプリ『AI×R Tailor(エアテイラー)』を開発導入。
・対象者の基本データ(身長・体重・年齢・性別)と背面・側面からの写真によって、適したサイズが把握できる機能を搭載。
・大人数の撮影やデータ管理を踏まえた高い操作性で、自動採寸の手間を低減。

サービスの提供は始まったばかりですが、顧客からのアプリ使用の要望は多く、今後の活用が期待されています。コロナ禍で直接採寸ができない現場からの問い合わせもあるなど、当初予想していなかった場面でのニーズもあるようで、株式会社ユニメイトでは、精度向上のためのデータ蓄積を続けています。

(参考記事:https://monstar-lab.com/dx/case-study/interview_unimate/

株式会社トライグループ(家庭教師サービス)

株式会社トライグループが運営する「家庭教師のトライ」は、小学生から高校生まで対応する家庭教師派遣サービス。「家庭教師のトライ」以外でも、大人の家庭教師やスポーツ教育、プログラム教育など、さまざまな分野の教育サービスを実施しています。
CMでも馴染み深い株式会社トライグループですが、以下のような課題を抱えており、その解決のため映像授業サービスを開発・導入しました。

◆課題
・生徒の習得効率を高めたい。
・習熟や演習段階での生徒のケアを手厚くしたい。

◆DXによる解決
・映像授業サービス『Try IT』を開発導入。習得効率アップのため、テスト前にポイントを押さえた効率的な学習ができる仕組みや学習を継続しやすい仕組みを設定。
・映像授業を観ている時にスマーフォンをシェイクすることで先生に質問できる機能を搭載。
・デバイスさえあれば、場所や時間を問わず、わかりやすい内容の映像授業を受けられるように。

このサービス導入は、今では一般的になった映像学習の先駆けとも言えるDX事例。
株式会社トライグループでは、サービスを展開していく中で、対象をトライ会員から一般の人にまで広げていきました。現在では公式会員登録者数は100万人以上になり、定期テスト前では数十万人もの人がこのサービスを利用しているそうです。

(参考記事:https://monstar-lab.com/dx/portfolio/case_trygroup/

日本交通株式会社(タクシー事業)

日本交通株式会社は、関西を中心にタクシー・バス事業を展開する会社です。
同社は地方のタクシー会社に多い、以下のような課題を抱えていましたが、AIによる分析を活用した「AI配車」サービスによって、その課題を解決へと導きました。

◆課題
・常に変化するタクシーの需要が把握できない。
・適正な配車ができないので、タクシーの稼働率も上がらない。

◆DXによる解決
・AI配車サービスを開発導入。過去の乗車履歴や気象情報、鉄道情報、開催中のイベントなどといった情報をAIが総合的に分析。乗車需要が多い場所を予想し、乗務員用のアプリに表示することが可能に。
・需給予測結果とリアルタイムの空車位置情報を組み合わせた情報提供。

このような、AIによるタクシー需要の可視化によって、タクシーの稼働率は向上。必要な場所に必要な台数のタクシーを用意しやすくなりました。
また、日本交通株式会社は顧客用の配車アプリとも提携しており、顧客がタクシーを呼ぶ過程のDXも実行しています。

(参考記事:https://xtech.nikkei.com/it/atcl/column/17/120200552/120400003/
https://www.denso-ten.com/jp/release/2018/08/20180802.html

まとめ

DXの成功事例をご紹介しました。

DXを成功させるには、ただ闇雲にデジタル技術を取り入れれば良いというわけではありません。DX推進のためのアプローチ方法は、業種やその会社が抱える課題、目指す将来像などによって異なります。それぞれの会社に、適したDXの進め方があるのです。

そのため、DXを推進するには、まず自社の課題を明確にする必要があります。そして、それに対する解決策としてデジタル技術を用いれば、課題を解決に導く効果的なDXを実現させることができるでしょう。