近年、フィンテック(FinTech)市場は拡大傾向にあります。私たちの身近でもフィンテックは活用され、実際にそのサービスを利用しているという方も少なくはありません。
とはいえ、フィンテックがどのようなものなのか、どんなサービスや技術があるのか知らないという方もまだ多いでしょう。

そこで今回は、フィンテックやそのサービス、技術について分かりやすく解説していきます。

フィンテック(FinTech)とは

フィンテック(FinTech)とは、「金融サービスと情報技術を組み合わせることによって生まれる革新的な事業やサービス」のことです。
具体例としては、スマートフォンでの決済やウェブ上での投資、仮想通貨などが、フィンテックにあたります。

このフィンテック(FinTech)という言葉は、金融(Finance)と技術(Technology)を合わせた造語で、元々は2000年代前半のアメリカで使われはじめました。
その後、世界的にITイノベーションを活用した革新的な金融ベンチャーが続々と誕生し、フィンテックは多様化。現在では、金融サービスと情報技術は切り離すことのできない関係となり、私たちの日常生活にもさまざまなサービスが浸透しています。

最新のテクノロジーで金融サービスを革新する企業は「フィンテック企業」と呼ばれ、金融に新たな価値を生み出すそのサービスは社会的に注目されています。

フィンテックの市場規模

フィンテックの市場規模は、世界的に拡大を続けています。
その市場規模は、2020年で約12.5億ドル。さらに2021年から2027年の予測期間においては、75.9%以上の成長率が見込まれるというレポートも出されました。

また、フィンテック市場は日本での成長幅も大きく、2018年には約2145億円だった市場規模は年々拡大し、2022年には1兆2102億円になる予想です。4年で、なんと5.6倍以上も拡大しているのですね。
この背景には、あらゆる面においてデジタル化を余儀なくされた新型コロナウイルスの影響も考えられます。

フィンテック市場は今後も拡大を続け、フィンテック分野への投資も活発化していくでしょう。

フィンテックのサービス例

フィンテックサービスは多様、そして身近です。意識せず日常的に使用している人も多いかもしれません。
ここでは、フィンテックの具体的なサービス例を6つご紹介します。

キャッシュレス決済

コロナ禍を経てすっかり身近になったキャッシュレス決済は、フィンテックサービスのひとつ。情報技術を用いることにより、直接現金のやり取りをすることなく、決済を行えます。
クレジットカード決済は古くから行われてきたキャッシュレス決済のひとつですが、近年ではスマートフォンによるQRコード決済サービスが増え、その手軽さから利用者も増加しています。

仮想通貨

仮想通貨とは、法定通貨ではない仮想の通貨(お金)のこと。電子データ上の通貨である仮想通貨はフィンテックサービスにあたり、資産運用や送金のために利用されています。
仮想通貨として有名なのは、やはりビットコインでしょう。ビットコインが登場してからは、さまざまな新しい仮想通貨が生み出され、現在でもその種類は増え続けています。

資産運用

インターネット上で株や投資信託などの資産運用ができるフィンテックサービスも、近年多く見られるようになりました。このようなサービスは、投資会社と対面でやり取りするよりも手軽に資産運用できるのが魅力で、自分で投資先を選ぶタイプのものと運用を会社やソフトに一任するタイプがあります。
また、資産運用のアドバイスを行うインターネットサービスも登場。フィンテックによって、高かった資産運用のハードルは下がりつつあります。

保険

保険分野でもフィンテックは活用されています。
例えば、今まで対面による手続きが一般的であった保険商品の試算や加入は、近年ではオンライン上でできるようになりました。
また、ウェアラブル端末によるデータに応じて医療保険の保険料を割引くサービスや、ドライブレコーダーのデータに応じて自動車保険の保険料を割引くサービスも展開されています。

保険金の請求手続きもオンラインベースになってきており、フィンテックは保険分野における面倒で複雑な手続き改善に役立っています。

融資

融資サービスをインターネット上で受けられるフィンテックサービスも存在します。金融機関で融資を受ける場合に比べ、審査にかかる手間や時間が少ないことから、このサービスも多くの方に利用されています。

クラウドファンディング

ここ数年で急速に社会に浸透したのが、クラウドファンディング。実施したいプロジェクトに対し、オンライン上で資金集めを行う方法です。
寄付やリターンの購入といった形で、データとして金銭をやり取りするクラウドファンディングも、フィンテックのひとつです。

うまくいけば資金だけでなく人々の注目も集められるクラウドファンディングは、今後テストマーケティングやプロモーションなど、多様な目的で活用されていくでしょう。

フィンテックのテクノロジー例

次に、フィンテックに用いられるテクノロジーの例を5つご紹介します。

AI(人工知能)

AI(人工知能)は、フィンテックに活用されるデータ解析や管理に用いられています。例えば、ロボ・アドバイザーやチャットロボットなど。
AIがデータに基づいて投資の助言を行ったり自動取引を行ったりすることで、フィンテックのサービスの幅は広がります。

ブロックチェーン

ブロックチェーンとは、データをブロックごとに管理し、そのブロックを1本のチェーンのように連結してデータを保管する仕組みのことです。直前のブロックのデータが次のブロックに書き込まれ連続していくことから、データの改ざんが難しく、また障害も起こりにくいという特徴を持ちます。
このブロックチェーンは、元々仮想通貨ビットコインの取引のための技術として開発されました。しかし、その汎用性の高さから、現在では金融システムをはじめとしたさまざまなシステムに活用されています。

IoT

IoTとは、「Internet of Things(直訳:モノのインターネット)」の略で、さまざまなモノがインターネットに接続され、情報交換をしている仕組みを指す言葉です。例えば、インターネットに接続されている住宅や車、電子機器などがIoTにあたります。

IoTにより、インターネットに繋がるモノが増えると、蓄積されるデータも増加していきます。フィンテックのサービスには、このデータが活用されており、データに基づいたサービス創出を行うことで顧客に新たな体験を提供しています。

生体認証

生体認証とは、個人の身体的・行動的な特徴をもとに認証を行う仕組みのことです。なりすましや偽造が難しく、高度なセキュリティを保てることから、多くの金融サービスに活用されています。
具体例としては、顔認証や指紋認証、網膜認証などが、生体認証にあたります。

API

APIとは、「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェアやプログラムの間を繋ぐインターフェースのことを指します。
APIは異なるシステムの間でのデータのやり取りに使われる技術。これにより口座の入出金データを会計ソフトに反映させたり、銀行以外のシステムから送金を行ったりすることが可能になり、多様なデータを用いたさまざまな金融サービスが実現できます。

まとめ

情報技術を用いた金融サービス、フィンテックについてご紹介しました。
本文でもご紹介したように、フィンテック市場は今後ますます拡大していくと予想されます。それに伴い、新たな金融サービスも続々と登場していくでしょう。

ビジネスにおいては、業務にフィンテックを取り入れることで、業務の効率化を図ることが可能です。例えば、従業員への給与支払いや経理業務の負担は、フィンテックサービスを活用することで軽減できるでしょう。
会社が業務を効率化し、競争力を高めていくためには、フィンテックを活用し、業務を見直すことも大切です。