情報システムの活用は、現代のビジネスにおいて当たり前になりました。生産管理や在庫管理、会計業務などの基幹業務はもちろん、社員同士のコミュニケーションにも、情報システムは活用されています。

すっかり身近なものとなった情報システム。
しかし、その種類や仕組み、課題について把握している方は少ないのではないでしょうか。
情報システムをうまく活用していくためには、情報システムについてよく知ることが大切です。

そこで今回は、情報システムについて、種類や仕組み、課題など詳しく解説していきます。

情報システムとは

情報システムとは、「コンピューターやネットワークを利用して情報を扱う仕組み」のことを指します。コンピューターやネットワークを利用したこの仕組みにより、企業や組織は、業務などで利用する大量の情報を、効率的に記録・処理・保存することが可能になっています。

情報システムは略して「情シス」と呼ばれ、企業や組織における運用・管理は、主に情報システム部門によって行われています。

情報システムの種類

情報システムは、大きく「基幹系システム」と「情報系システム」の2種に分けられます。それぞれの特徴について、確認しておきましょう。

基幹系システム

基幹系システムとは、企業および組織の運営に不可欠な項目に関わる情報システムのことです。
例としては、下記のようなシステムが、基幹系システムにあたります。

◆基幹系システムの例
・生産管理システム
・在庫管理システム
・販売管理システム
・会計システム
・人事給与システム
・税務関連システム
・住民情報関連システム(自治体)
・勘定系システム(金融機関) など

主に、「ヒト・モノ・カネ」を管理するシステムが基幹系システムだと考えると、わかりやすいでしょう。

基幹系システムは企業活動の基盤となるものであり、代替が利かず、システムに障害が起きたり停止したりすれば、企業活動そのものが成り立たなくなってしまいます。そのため、基幹系システムの重要性は高く、運用にあたっては高いレベルのセキュリティが求められます。
また、簡単にシステムを移行することも困難です。

情報系システム

情報系システムとは、企業および組織での事務作業やコミュニケーションに用いられるシステムのことを指します。
例としては、下記のようなシステムが、情報系システムにあたります。

◆情報系システムの例
・メール
・グループウェア
・スケジュール管理システム
・Web会議システム
・社内SNS、掲示板 など

基幹系システムと異なり、情報系システムは、もし一時的にシステムが停止しても他のシステムや機能で代替が利きやすいのが特徴です。そのため、情報系システムが停止しても、業務に大きな支障をきたすことはほとんどありません。
このことから、情報系システムはシステム移行やアップデートがしやすいという特徴を持ちます。

情報システムの仕組み

次に、情報システムの仕組みについて解説していきます。
情報システムは、「アプリケーション」「プラットフォーム」「インフラストラクチャー」という3層の仕組みで成り立っています。

アプリケーション

アプリケーションとは、コンピューターで個別の業務を実行するためのソフトウェアやプログラムのことです。
例えば、下記のようなものはアプリケーションにあたります。

◆アプリケーションの例
販売管理システム
文書管理システム
経費精算システム
表計算ソフト
音楽再生ソフト
ゲームソフト
コミュニケーションツール など

ワードやエクセル、乗換案内など、私たちが日常的に「アプリ」と呼んでスマートフォンやパソコンで利用しているものが、このアプリケーションにあたります。
アプリケーションには、業務で使用するものも、個人で使用するものもあります。アプリケーションを使用することで、業務はより効率的に進行・管理できるようになり、時間のロスやミスも減らすことができるため、現在ではビジネスにおけるアプリケーション利用は当たり前になっています。

プラットフォーム

プラットフォームとは、アプリケーションを動かすための共通の土台となる環境のことを指します。具体的には、OSやミドルウェアがプラットフォームにあたります。

OSは、キーボードや通信装置などのハードウェアと、アプリケーションの働きを仲介し、システム全体を運用・制御する役割を果たすシステムのこと。具体例としては、WindowsやMac OS X、AndroidやiOSなどが挙げられます。

一方のミドルウェアは、アプリケーションとOSの中間に位置するソフトウェアで、システムのバックアップや改善などの役割を果たします。具体的には、「データベース管理システム」や「運用管理システム」、「開発支援ツール」などが、このミドルウェアにあたります。

インフラストラクチャー

インフラストラクチャーとは、プログラムを動かすための基盤となるハードウェアやソフトウェアのこと。
具体的には、コンピューター本体やデータ保管のためのストレージ、通信回線などといった物理的な構成物のほか、ネットワークやコンピューターを稼働させるためのOS、ソフトウェアなどもインフラストラクチャーにあたります。

情報システム分野が抱える課題

情報システムは企業や組織の業務を効率化する一方で、大きな課題も抱えています。
それが、「IT・デジタル人材不足」「レガシーシステムによる経済損失」「情報リスクの脅威」。それぞれ詳しくご説明します。

IT・デジタル人材不足

情報システムによる企業・組織運営が進む中で、その運用・管理を担うIT・デジタル人材の需要は高まりを見せています。しかし、IT・デジタル人材は不足しており、企業は十分な人材を獲得できずにいます。
IT・デジタル人材不足の原因としては、以下のような事が考えられます。

・需要の急拡大
技術変化のスピードが速い
・IT職に対するネガティブなイメージ

IT・デジタル人材に対する需要は急拡大していますが、その需要に供給が追いついていません。IT・デジタル分野は変化のスピードも速いため、技術者や技術者を目指す人がそのスピードに対応していくのが、困難になっている現状もあります。

また、IT職には「労働時間が長い」「給与が安い」などといったネガティブなイメージを持つ人も多く、人材が定着しにくいという問題点もあります。

IT・デジタル人材の需要は、今後さらに増していくと予想されます。IT・デジタル人材不足を解消するには、人材育成のためのプログラムやネガティブイメージ払拭のための活動などが必要でしょう。

レガシーシステムによる経済損失

多くの企業や組織が現在使用している基幹系システムには、事業部門ごとに構築されたため横断的なデータ活用ができず、過剰なカスタマイズによりブラックボックス化してしまっているものが多く見られます。システムをこのまま放置してしまうと、企業や組織はデータを活用しきれず、やがて世界的なデジタル競争に負け、さまざまなリスクに晒されることになってしまうと予想されています。

しかし、先述の通り、基幹システムは簡単に移行できません。既存システムを変えるには、システムだけでなく経営改革も必要になり、そのためには膨大な労力と時間が必要でしょう。

経済産業省は、このような課題を抱えたままでは、2025年以降日本では年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると警鐘を鳴らし、この問題は「2025年の崖」と呼ばれています。

情報リスクの脅威

情報システムは、あらゆる情報リスクの脅威にさらされています。
不正アクセスや情報漏洩、サイバー攻撃、ウイルス感染など、情報システムに対する脅威は増加し、手口も巧妙化してきています。

このようなリスクを避けるためには、情報システムに対する強固なセキュリティ対策が必要です。脅威によって、有効なセキュリティ対策は異なるため、あらゆる側面から対策を講じるようにしましょう。

近年では大企業だけでなく、中小企業にも脅威の手が及んでいます。これからは、中小企業も大企業同様に、情報システムのセキュリティに力を入れていく必要があります。

まとめ

現在、そしてこれからの企業・組織運営に、情報システムは欠かせません。
しかし、情報システムは早急に解決すべき大きな課題を抱えています。特にレガシーシステムによる経済損失は深刻で、経済産業省も警鐘を鳴らしています。

今回ご紹介した3つの課題はすぐ完全に解決できるものではありませんが、大切なのは課題の解決に向けていち早く取り組みを進めること。
課題を放置し大きな損失を被ることがないよう、今一度自社の情報システムを見直し、必要な対策を始めましょう。